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有人宇宙港をめぐる冒険

ひまわり。一番好きな花なんですけどね。そんな花の名前を暫定的に借りて、「秋田大学衛星製作物語〜教官苦労話〜」の続編のタイトルとしておりましたが、この度、「有人宇宙港をめぐる冒険」とタイトルを改めました。タイトルの意味は、またおいおい。
これからもよろしく御願いします。

なお、SPAM対策のため、ツッコミにURLを記入するとそのまま削除されて表示されません。御注意ください。

=====本家も久しく更新してないなぁ(^_^;=====

トータル 本日昨日

20120119 宇宙政策オープンゼミに御参加の皆様へ [長年日記]

_ ・宇宙政策オープンゼミに御参加の皆様へ


大変遅くなりましたが、1/15には休日にもかかわらず、多くの皆様の御参加いた だけましたこと、お礼申し上げます。
また様々な活発な議論を展開することが出来ました。
どうもありがとうございます。
一方で時間が足りなくて、当初予定していた輸送系に関してまで話しが至らなかったことをお詫び申し上げます。
この点に関しましては、また次回以降に機会を設けたいと思います。

ゼミでも説明をしましたが、専門調査会は1/13を最後に、もう開催されないと思います。
今後は1/13の専門調査会の提言に従い、総理が宇宙開発戦略会議を招集し、政府の方針として新体制を推進することを決めると思われます。
その後、通常国会においてJAXA法を含む関連法案が修正され、必要なら新法が立案され、予算関連法案として3/31までには法律として成立すると思われます。
一方で、例えば「部会」など、意思決定に重要な役割を果たす組織が具体的にどうなっていくのかはまだまだ未知数です。
裁定でも宇宙戦略本部事務局がその青写真を出してくると思いますが、しかしここはかなり重要なポイントなので、充分に議論がされる必要がホントは在ると思います。
また政権交代の可能性が高まっている中、この問題も含めて、3党協議会できちんと議論がなされ、3党が等しく理解を深め、コンセンサスを形成することが、これ以上の日本の宇宙開発の遅延を招かないためには必要不可欠な事だと思います。

三党協議会にこの問題を話し合っていただくことは可能と思いますが、しかし何も素案無く議論を御願いすることは無理で、いくつかのオプション案を提示し、議論を行っていただくことが重要だと思います。

そこで今回のゼミを単なるガス抜きに終わらせないためにも、また今後に向けた有意義な国民的な議論を喚起していくためにも、具体的なオプション案の作成を、速いテンポで進めていきたいと思います。

個人で色々な案を出されても良いですし、私のblog上で議論を戦わせていただいても良いと思います。皆様の活発な議論を期待します。

今後ともよろしく御願いします。




・オプション案とは?
意思決定の過程をどうするのか、様々なレイヤーで議論が必要と思います。
まずは「宇宙政策委員会」の位置づけでしょう。
ゼミでも話が出ましたが、例えば安全保障に関しては本来、他の関連委員会とも協力が必要になります。これをどのような体制にするのか?
日本版NSCが出来た場合はどのようになっていくのか?その場合は宇宙開発戦略本部会議がNSCに吸収されるのか?等々、これが最上位のレイヤーかと思います。

次ぎに宇宙政策委員会と部会、宇宙戦略室の関係でしょうか。どのようなメンバーがどのように議論を進めるのか?
当然、様々な情報を得るために、JAXAの調査部門等の協力も必要になるわけですが、それらをどうやって組み込んでいくのか?
また最上位レイヤーから委員会・部会・戦略室にどのように国の意思が伝えられ、それを具体化するための戦略・戦術がどのようにまとめられていくのか?
現場レベルでどのような具体的なプロジェクトとして出てくるのか?
これが次のレイヤーでの話しだと思います。

上記のような内容に関して議論するには、全体の枠の理解が必要不可欠だと思います。
これに関してはオープンゼミでの議論が役に立つと思いますが、それを踏まえた上で、様々な提案をいただければと思います。
私もどんどん発表します


よろしく御願いします。
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ むつこ [私なりに考えさせていただきました。楽しい時間でした。 ホワイトボードに、図式化しながら、みんなででデスカションして..]

_ sh [オプション案議論のために、現在までに決定が進んだ議論内容の確認の質問をさせて頂きたいです。 準天頂衛星の運用・整備..]


20120115 個人的なこと [長年日記]

_ ・個人的なこと

昨日、家に帰ってみると一枚のはがきが来ていた

僕がゼネコン勤務時代、最後に居たトンネル現場で大変御世話になった下請けの方が亡くなったとの連絡だった。呆然とした。

僕は新卒でゼネコンに入ってから7年半近く研究所で内勤だったので、トンネル現場に出されてホント、毎日が右往左往だった。

うちの現場はホント厳しい現場で、所長は1日の8割ぐらいは怒鳴ってるわ、辞める人間続出だわと、まぁ散々だった。

下請けも実力者揃いなので突き上げが厳しく、大変な現場だった。

現場の1日は何百万もの金が出入りする。一つ判断を間違えたら、現場がそれで何日も止まってしまったら、それで何千万かが飛ぶ。そんなことがホントに起こりえてしまう。

でもそこで現場を実際に廻していかないといけない。

経験不足とか知らなかったとか、そんなこと言っても現実に金が消える。

まさにぎりぎりの真剣勝負の現場だった。

僕はホントにあそこで、ものすごく沢山のことを教わった。

もし僕が大学に来て、UNISECで、学生に何かを教えることが出来ているとすれば、それはこの半年弱の現場時代に学んだことがほとんどだと言っても過言ではない。

立場上は監督さんなのに右も左もわからない僕に対して、(JVの方々ももちろんだが)下請けの所長さんと彼と、そして下請けの方々にも、とても良くしていただけた。

ネイティブアメリカンのような、日本人場馴れした顔つき。そして巨体。現場ではまさにブルドーザーみたいな人だった。飲みに行けばこれまた酒量も煙草も多くて、すごい人だった。

そのくせとても優しくて、僕が現場で一人悪戦苦闘していると、めざとく見つけてこっそり助けてくれるような人だった。

僕が現場を辞めて大学に移るときには、もってけやと餞別をくれたんだけど、ありがたすぎてまだあのお金は貰った封筒に入ったままで置いてある。

僕が辞めた後、3年で終わるはずだったトンネル現場は山の状態が悪くて難儀を極めたらしく、昨年末まで実に8年もの時間を要したらしい。

トンネルが完成し、竣工式の後、多分たらふく飲まれたんだろう。

自室に帰られてから、窓から落ちて亡くなられたらしい。

享年53歳

あまりに早い人生だったと思う。絶対に死にそうにない人だったのに。



世の中には沢山の人が居て、沢山の生き方があって、その一人一人のことなんか、全部知ることもないままに、自分自身もまた死んでいっちゃったりするのだろう。

そんなことを何十年も、何百年も、何千年も、何世代にもわたって、我々は繰り返してきたのだろう。

一人一人の人生がどうだったかなんて、同時代の人間にも、ましてや未来の人間にとっては全然記憶にも残らない出来事なんだと思う。

でも冬枯れの山の中で、トンネル掘削の機械音が響き渡る中で、ぽっかりと出来た日だまりの中で、

まるでネイティブアメリカンのように威風堂々と、なんだか映画のワンシーンのように神々しく煙草を吹かしていた山崎さんの姿を、僕はずっと覚えていると思う。

ありがとうございました。

安らかに、お眠りください。


20120114 最新資料+コメントへの回答 [長年日記]

_ ・最新資料

すみません、ちょっとバタバタしていて遅くなりました。
いよいよ明日、宇宙政策オープンゼミですが、明日向けの最新資料を以下に置きました
メイン資料補足資料です。
じつは1/13におそらく最後の?専門調査会が開かれ、そこで体制論はほぼ決着しました。
この資料はまだ公開されていないのですが、明日のゼミではその資料も使いながら、説明をしたいと思います。
この最新資料に基づいて一部変更を行ったのと、Mt.Kさんのコメントにも関連してありましたが、大型固体にしろ液体系にしろ、『自在な宇宙活動』を維持する基幹技術に変わりないよね?という御指摘を戴き、そりゃそうだなぁと思ったところもあり、加筆修正しています。
またコメントで意見のあった部分も入れて見ました。

いずれにせよこの資料はオフィシャルな資料でもなく、また明日、完全にしなければ成らない資料でもないので、その点に御留意ください。
ただし一方で、体制の大枠が決まった中、例えば部会の設置をどうするかとかは非常に重要なテーマと成ってくるので、その部分は明日を皮切りに、是非、議論を深めていきましょう。

だいたい、専門調査会で独立行政法人たるJAXAの役割云々が話し合われているのと同じ日に、『文科省所管8法人を統合』とかいう提言が出てきているとか、政府としての政策の一貫性はどーなった、って感じですよね(^_^;

神谷さん、明日は久々にお会いできるようで楽しみです。サブオービタル観光市場のサポートですが、基本、これは国家戦略として実施するのかビジネスとしてやるのかで話しが変わってきます。
基本的にはビジネスだと思ってるのですが、航空戦略ともあわせて考えるということであれば、部会の中で航空戦略部会のようなものが置かれるなら、そこで議論されるべきでしょうね。
でも実際の所、航空戦略に関してはほとんど議論されておらず、非常に弱いところです。
一方、ビジネス化はそれは推進母体たる民間の団体・企業がないと政府としても推しようがないわけで、実施機関としてのJAXAに出来ることも限られます。
まずはそれをビジネスとして実施したい国内の民間勢力を統合するところからかと思っています。
本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ miya_space [ 1/15の宇宙政策オープンゼミで安全保障に関する部会の設置について質問した者です。1/15のご講演は大変勉強にな..]

_ Kusaba [1/15の宇宙政策オープンゼミに出席したものです。ゼミは日本の今までと今後の組織の違いについて大変勉強になりました。..]

_ bn2islander [宇宙戦略室ですが、例えば時事の報道では以下のようにあります。 "藤村長官は、宇宙戦略室について「宇宙政策の司令..]


20120113 コメントへのお返事+みなさまへ(追加) [長年日記]

_ ・コメントへのお返事

Mr.Kさん、色々とコメント、ありがとうございます。

>「ビジョン、戦略、戦術、ロードマップといったものの具体的な内容を議論したいということでしょうか?jaxa2020のような話を宇宙基本法、新体制の前提で考え直すような」

はい、まさにその通りです。

御指摘のJAXA/ISAS分割問題など、まだ細部で体制論の議論はもちろん残っています。

しかしもっとも重要なのは、「新しい革袋にどんなワインを入れるのか」、だと思っています。

これまでの枠気味では出来なかった、国家戦略レベルのビジョン・戦略・戦術・ロードマップを立ち上げていく必要があると思います。

(もちろん前提として、それが正しく判断・実行できる組織が出来ると思えるだけの理解がみんなに広がることが重要なのですが)

よろしく御願いします。


・みなさまへ

どんどんコメント・質問を御願いしたいのですが、具体的に御願いしたいところが一つあります。

私の資料の補足資料で、5ページ目の表の右側ですが、まだ全然埋まってません。

ここ、どんどん提案いただけませんか?

例えば『「国内活力の高揚」の欄、「太陽風帆船衛星の開発」』みたいに、具体的なミッションで書いていただいてもokです。もちろんもっと大きな枠でも構いません。

例えばJAXA/ISAS分割問題とか、ISSをどっちに含めるとかとかは、実は既に話しがどんどん専門調査会等で進んでいるので、我々がここで声を上げても、具体的な部分が通るか通らないかは良くわかりません

しかし新組織でやるべき内容部分は、まだまだ議論が起きていないので、深めていきたいと思います。

よろしく御願いします。

追加です。この欄は、とにかく思いつくものはまず、全部入れると良いと思います。その後、まとめていくのかなぁと。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ Kedrskie [補足資料掲載内容提案の件、素人ながら愚行の上、提示させて頂きます。 下記の通り、ご査収をお願い致します。 官..]

_ Mr.K [5ページ目の表の右側を提案するにあたり質問です。 全てを実現するわけでない、重み付けは後でされる、という注記よ..]

_ kamiya [単なる一般ピープルにもかかわらず、参加を申し込ませていただきました。この場で発言するのは物凄く勇気のいることなのです..]


20120112 コメントへのお返事 + 当日のスタンス+コメントへのお返事追加+もう一個お返事 [長年日記]

_ ・コメントへのお返事

現在、コメントを3つ戴いており、既に2つにはお返事をしております。
1/15は出来るだけ無駄なく議論を進めたいので、ここで聞けることは聞いちゃってください。
既に1/15は40名ほどの参加申込みが来ておりますが、むしろこの40名の方は、ここで1回質問してから参加するぐらいの気持で来て欲しいです。

さて新しいコメントへのお返事ですが、
・新生JAXAと新生ISASに関して
この二つを分けちゃうのか、同じ組織だけど新生JAXA的な部署の主管を内閣府・新生ISAS的なの主管を文科省にするのか、そこはまだ議論があるところです。
僕の意見はどっちでも事務的に・JAXA/ISAS的にやりやすい方でやって戴けたら、というところで、あまり重点を置いていません。
ただし、一緒にするとそこで最初に予算の提出段階で科学なのか外交力なのか産業なのかに優劣をつけちゃうことにもなりかねないので、その点の判断は全て宇宙政策委員会に任せましょう、と思っています。

またこの資料では「共管」については書いていませんが、新生JAXAには経産省や国交省・農水省・防衛省等、利用に係わる省庁が共管として入り、直接JAXAに仕事を依頼できるようにするべきと思います。
このあたりは専門調査会の資料でもそのように書かれています。
科学衛星・国際協力(だけじゃないけど)/産業というのが新生ISAS/新生JAXAの切り分けというのは、少なくとも僕のこの資料での主張はその通りです。
でもこれはまだオーソライズされた意見でもコンセンサスを得た意見でもありません。


・宇宙政策オープンゼミ 当日のスタンス
現在、参加申込みを戴いたのは50名弱となっています。
どうもありがとうございます。
当日ですが、坂本さん・秋山の発表は当然実名での発言ですが、会場からの質問・意見は、実名でも匿名でもokです。
希望される方は名乗ってから御意見・御質問をしてください。
匿名希望であれば名乗らなくてもokです。
ちなみに映像でのネット中継はするつもりはありません。またそのような御希望があってもお断りしたいと考えています。
見たい、聞きたい、知りたい。そう思ったら出てくるぐらいの価値がある内容の話をするつもりです。
是非、我々のその気持ちに答えて、出てきて、さらには座っているだけでなく、御自身の御意見を述べていただけると嬉しいです。

もし会場から個人的にtwitteされる場合は、「自ら労を負わずして簡単に情報を得る(あるいは得たつもりになる)事はどういう事なのか?」をよく考えて、御自身の御判断で、御実行ください。
またtwitteを実行される場合は、最低限、上記の発言者の情報に関する精神をお守りください。
(すなわち、顔見て誰が話しているかわかっても、匿名で話されているならお名前は伏せてください)


今回のゼミの目的は、新しい宇宙開発体制が構築されたときに、それを国民全体で支援できるような雰囲気を構築したい、そのために必要な情報や議論等をきちんと広めたい、というものです。
せっかく新しい意思決定の体制が整っても、そのことが周りに理解されず、様々な不理解・無知から起こる誤解などを解くために無駄なエネルギーを費やすことになってしまったら、我が国の宇宙開発は、ホント、世界の中から立ち後れてしまいます。
そのために早い段階から、みんなで疑問点を出し合い、そのことに関して正しい理解を広げ深めること。そしてみんなが議論をして、新しい体制に精神を入れていくことが出来るようにしていくこと。
そのスタートとして、このゼミを実施したいと思います。
なので必要があれば第2回・第3回と、私もつき合うつもりです。
是非これを良いスタートとしましょう!



・新しいコメントへのお返事
>日本だけの力で歩んでいく?
いえ、全然そんなことはないですよ。むしろ、新生JAXAが担うべき産業化の部分は、国際マーケットを考えつつ、国際協力を実現しないと無理です。
僕が昨年、5カ国も10カ国も廻ってるのはそーいう観点からです。
利用推進部会ではそういった調査に加えて、分析をきっちりとやって戦略立案をする機能が必要だと思います。

・さらに新しいコメントへのお返事
>ISSの実施主体
「ISAS的手法では数百キロの衛星が限界」というのはなかなか刺激的な表現ですが(笑)、えーと、もしそれが仮に事実としても、何から何までISAS的手法にこだわらなくても良いのでは?その部分は別にJAXA的手法でも問題なしです。
ポイントは、「価値判断を同じ物差しで出来ない物を一つの組織内でまとめると、その組織を出るときの優先順位が物差しが違うのに1番・2番とついて出てきちゃうよ?」という点です。

>20年スパンで基幹ロケットを更新していく場合の技術の維持
まったくもってその通りだと思います。

><「実利用に向けた宇宙開発活動」の定義>
技術が実証されても、そこから実用化されるまでには「死の谷」が横たわっています。其所を渡すための作業をしていくというのが実利用に向けた活動だと思います。

>部会の位置づけ
「政策委員会の議論は部会の提案に強く依存」しない、別の視点を政策委員会のメンバーは持つべきだと思います。という点で、私も同意見です。
それが出来ないとこのシステムは廻らないですね。というか、それが出来ないなら、そもそもこの体制論は何やっても無駄ですね。
部会レベルのメンバーにもそこで焦点をぼかしても仕方ないと僕は思います。


あと、今回のオープンゼミの議論で僕が重視したいと思ってるのは、体制論の細かな話しではありません。
体制論の話しを上げているのは、「従来の文科省設置法の範囲内」から「政府全体の範囲内」に宇宙開発の価値判断が広がることを理解するためです。
同時に、国家全体の視点から判断がされるような仕組みを作る、というのが今回の体制改革の目的であることを理解するためです。
このあたりの議論は戦略本部事務局で粛々と進められるので、我々が議論してもあまり意味がありません。
ただ、戦略本部で行われている議論の中身を正しく理解することは、非常に重要だと思います。
だから今回、この話を最初に書いています。

しかし最も重要なのは、それを受けて、「じゃぁどんな方法(ビジョン・具体的なプロジェクトなど)でsustainableな宇宙開発を実施しますか?」という議論だと思っていて、実はここの部分にはまだ、専門調査会の議論は余裕が無くて話しが至っていません。
其所の議論を是非、突っ込んでやりたいと思っています。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ Mr. K [Sustainableな宇宙開発をどのように実施しますか?というのがパッとイメージを共有できなかったのですが、ビジョ..]


20120111 コメントに関する回答 (追記有り+修正の案内有り) [長年日記]

_ ・修正の案内

すみません、まだ修正していませんが、メイン資料(これは修正済み)に一部誤りがありますね。また意志決定経路の部分も微修正しました。
ここを読んでもらうとわかりますが、宇宙政策委員会の設置場所は総理・閣議の枠内ではなく内閣府の枠内ですね。修正を御願いします。


_ ・コメントに関する回答

Mr.Kさん、コメントありがとうございます。

以下、私なりの回答です。

またこれらの項目は、先に公開した資料にも反映できるところは反映していきますね。

1/15ではより突っ込んだ議論をしたいので、他の皆さんも、今、ここで出来る議論はどんどん書き込みをしてください。

よろしく御願いします。

_ ・政策立案の基本方針

橋本行革以降、これまでは日本の宇宙開発は文科省の下で進められてきました。

それは同時に、日本の宇宙開発が文科省設置法で定める枠内の活動に留まってきた、と言うことでもあります。

今回、その枠が撤廃され、国家としての枠内での宇宙開発が始まります。そこでそれを明示的にするためにも、この項目を入れています。

この項目に入るべき内容は、本来、どの政党が政権を取ってもあまり変わらないと思うし、変わっちゃいけないんですけどね。

もっともこのあたりが理由で、自民・公明・民主の3党が議連を作っているわけですが。(すなわち政権与党になる可能性のある政党の、国家戦略的な政策案をそろえておこうという意味)

そのうえで優先順位ですが、これは政権によって順位が変わると思います。なので優先順位に関してはここでは述べません。

「太陽系内の先行調査・開発への投資」が何故重要かと言えば、これは将来の「領土主張」に関する権利を留保するためです。

もちろん我が国は「月条約」等で宇宙での領土権に関しては凍結していますが、しかしそれが将来にわたってそのままかどうかはわかりません。

その為にも南極同様、「探査」によって先行権を主張することは、国家として重要な役割だと思います。

_ >日本の宇宙開発予算はいくら増やせても、GDP比で最も多い米国と同等の年6000億程度か。

うーん、僕の感触では、自民政権では4000億円、民主政権ではせいぜい2500億円か3000億円だと思っています。これは今後のGDPの推移を考えても、増えることはないでしょう。

だからこそ、官需だけに頼らない宇宙開発を推進すべき必要性があります。


_ ・航空戦略部会の問題

I agree with you on that point,です。

問題点は、「日本の航空戦略が宙に浮いている」事です。

でもこれ、一応、航空宇宙で一緒の分野とされてるんですね。

それに対してこれまであまりにもきちんと、国家全体での検討が為されてこなかったと思っています。

だからこそ今回、それらを解決するための一助として、ここを立ち上げるべきではないかと思って入れました。

私は宇宙政策委員会は、将来的には国家全体の戦略を考える部署(それこそ国家戦略委員会)に統合されていくべきものだと思っています。

航空部門はその第一歩としても捉えられるんじゃないでしょうかね。

いずれにせよ、一つ言えることは、今回、ここで航空戦略を考える部署を入れておかないと、国家全体で航空戦略を考える部署の立ち上がりはもっともっと後になってしまうと言うことが重要なポイントだと思います。


_ ・JAXA / ISAS 分割問題

この部分は大筋、なんとなくみんな「そうすべき」と思ってるんですが、その理由とか分割方法はまさに議論が必要なところです。

基礎研究に求められるアウトプットがいわゆる「ソフトパワー」であるのに対し、実利用に求められるのは、「経済発展」だとかかなり具体的なことで、そもそもこの二つを同じ秤で量るのはなかなか難しい。それぞれがそれぞれの価値を主張して、それを大局的な部署(今回で言うところの宇宙政策会議)が判断するならまだしも、それがJAXAという枠を出る前に判断されてしまう。すなわち、国家政策全体としてのバランスではなく、JAXA全体としてのバランスで判断されてしまう。このあたりが問題なんだと僕は想っています。

_ >基礎技術も含めたロードマップ・ラインナップ問題

この部分ですが、新生ISAS・新生JAXAにも策定権はありません。これらは各部会からの提案に基づき、宇宙政策委員会が大局的(宇宙以外の事も考えて)に判断します。

ただし、新生ISASは理工学部会を通じて、新生JAXAは利用促進部会・航空戦略部会を通じて、このロードマップ・ラインナップに提案を行う事が出来ます。

また宇宙政策委員会が地球観測衛星のロードマップ等を、関係省庁・機関と調整して実施することになります。その時にコメントでも御指摘のあった内容は考慮されるべきでしょう。

_ >ISS問題(追記有り)

基礎研究と実利用で新生ISAS、新生JAXAを分けた場合、前者は「ソフトパワー」(科学技術力とか、探査等による国家ブランド力や外交力など、それこそプライスレスで計られる部分)で勝負するのに対し、後者は「経済力・マーケット力」(金に換算できる価値」で勝負すると言うことになるかと思います。

と考えたとき、ISSはどちらに位置するかと言えば、どちらかと言えば前者に組みするのではないのか?というのが僕の意見です。

ISSの産業利用というのは基本、とてもコストが高すぎて成立しないと思います。

むしろそれをバンバン外交的に利用する。国家ブランドとして利用する。科学・工学の先駆的実験場として利用する。それがもっとも重要かと思います。

「世界の先進国が有人の実験場を宇宙空間に有するのに、科学技術立国を標榜する我が国がそれを持たない等と言うことは、プライドが許さない」という感覚は、我が国の科学技術を担うべき人にとって必要な感覚だと私も思います。もちろん、そのプライドのそろばん勘定も必要ですけどね。

またこの考えに立つとき、ISSの管理は極めて文科省的な管理区分になると思われます。

それが僕がISSを新生ISASに組み入れるべきとした理由です。

新たにmiya_spaceさんからコメントがあったので追記です。

まず最初に「ISS利用に関する国際間調整」ですが、これは既にここでも出ているように、専門調査会の正式な提言として「他国の宇宙機関等との企画立案に属する事案に係る協議に当たっては、我が国としては、JAXAではなく、内閣府がその任に当たるべきである」とされていて、私もこの考えに賛成です。

すなわち「外交カード」として使うのは新生JAXAでも新生ISASでもなく、宇宙政策委員会になります。

その上で、ISS上で行われる基礎研究・応用研究・実用研究を、新生ISASと新生JAXAで分けるというのはありかもしれないですね。


_ ・新生JAXA関連

> 「実利用に向けた宇宙開発活動」の定義

たとえば「だいち」だとか「いぶき」だとか、「技術が使えることはわかった」衛星はこれまで沢山あります。技術実証が出来た、って事です。しかし地球観測に関してはここで終わってる感が強くて、実利用にまで動けていない。

では具体的に実利用はどう進むかですが、一つには日本の官庁が地上データを使ってやっている業務を、宇宙を使った業務に変えていく、と言うようなことです。

具体的に言うと、休耕田の監視なんて言うのは、これまでは現地に人が派遣されてやってました。しかしこれ、宇宙からのデータを使えばもっとコストダウンできるんですよね。

それとか、ETCのシステムは、地上網で完結してしまっています。これを宇宙インフラも使うようにすることでコストダウンを計るとか、適用範囲を広げるとか、そういうことも可能になってきます。これはヨーロッパのガリレオとかでは使われ始めていますよね。

JAXAはこれまで、JAXA法で「研究開発」に縛られていて、このあたりまで踏み込めてきませんでした。しかし新生JAXAでは、そういった「セールスマン」的な部分も担っていくべきだと思っています。

_ >実利用衛星を国が開発する場合スーパー301条に抵触

上述のように「実利用に向けた宇宙開発活動」は、いわゆるフライトセグメントだけには留まらないのですが、一方で「実利用衛星」を国際競争入札をしないで国費を使って製造させる・購入することには、日米合意に反するだけではなく、WTOの精神にも反します。
このあたりがJAXA法で「JAXAが国費で発注している衛星は研究開発・技術実証衛星だけ」としてきた理由があります。この範疇であれば、上記には抵触しません。
しかし実利用化を推進するに当たっては、この逃げ道ばかりを利用していてはもはやダメだろう、というのが僕の意見です。
ではどうするのか?
まず、新生JAXAでも、技術実証衛星というのはあり得るでしょう。それらは従来通り、国内衛星産業保護のためにも国内発注をします。
一方で実用衛星に関しては、これは二つ方法があって、一つはガチンコ勝負をするという正攻法ですね。
もう一つは日本を含む宇宙クラスターを作り、そのクラスター内でそれぞれの国の国産化(技術実証)を助けると同時に、それによって出来てくる衛星群を実用化の足がかりとしていくと言う方法です。
これは内閣府の調査会で出されている資料ですが、将来戦略をきちんと立案し、海外の官需を上手く取り込んでいく。そういう活動によりこの問題を解決していくというのがもう一つの手だと思います。

_ >利用促進部会

「ハードの開発だけでなく、「利用技術」(リモセン解析、GPSの活用等)の開発を産学官で促進する体制の構築が必要。その際にユーザ機関との連携が重要であり(例、農業アプリは宇宙関係省庁だけでは作れず農水省等との連携が必要)そうした省庁の巻き込みの機能が司令塔機関には求められる。」

まさにその通り!だと思います。

_ >衛星販売

>地球観測衛星の場合、ハードのほか、利用技術、キャパビル(技術)、キャパビル(ユーザ機関の指導)も必要。文科省、経産省以外のコミットも重要であり、オールジャパンでのサポート体制の構築が必要。

この御指摘は僕も全面的にagreeです。新生JAXAは内閣府が主管ですが、共管としては 文科省も経産省もはずれないと思っています。またそもそも内閣府はこれらの省庁を横断的に政策を実施するので、この観点で推進されることが必要だと思います。


_ ・新生ISAS関連

>ISASの定義

「現在のISAS+研究開発本部+JSPEC+有人」+「ISAS的開発手法」だと思います。

どこまでを基礎研究・科学研究と考えるのかが、切り分けが非常に難しいと僕もおもいます。これは一部民間企業で行われている考え方ですが、基礎研究(実用は20~30年以上先)・応用研究(実用は10~20年先)・実用研究(実用は10年先~現在)の3段階に考えてみては?と思っています。

その上で、新生ISASが担うのは基礎研究と応用研究の一部、新生JAXAが担うのは応用研究の一部と実用研究、(そして実利用の推進)ではないか、と。

新生ISASには一定規模の予算(新生ISAS・新生JAXAの研究部門の予算は市場規模の10%と考えています。新生ISASで言えば現段階では200~300億円(10%の割合からするとちょっと多めですが、最初の段階では高比率も致し方なし)ですが、将来、官需部門が劇的に増えるとは思えませんが、民需部門が増えるに従ってこの金額は400~600億円に増えていくと思っています)

_ >理工学部会

部会は宇宙政策委員会の下部組織なので、最終的な宇宙政策委員会としてのアウトプットは技術の利用部門・産業化部門・外交部門も関与します。

理工学部会は利用促進部会・航空戦略部会や他省庁からの提案をはねのけるぐらい優秀な、理工学に関する提案を行うべき組織だと思っています。

その意味で、構成メンバーを「ISAS理学分野から1名、工学分野から1名、JAXAから1名、およびJAXA/ISAS以外の大学・研究機関から3名の計6名で構成」と提案しました。

このメンバーは研究開発部門の意地にも賭けて、その重要性を主張すべき役割を担っていると考えます。

_ >輸送系

ここは前述の基礎研究・応用研究・実用研究の考えがそのまま適合できるんじゃないかと思っています。

ちなみに僕の提案では固体と液体は完全に分けて考えていて、固体は安全保障上の理由からも経済性だけを物差しとはしません。我が国の固有技術として守ることを強く考えます。

固体系では他国の小型衛星を商業的に勝ち取って打ち上げることよりも、外交的な対価として機会を提供することも考えるべきでしょう。

一方の液体系は、これはまずは産業化を考えるべきですね。

そのためには輸送系本体の開発理念にもそのことを盛り込むことも重要ですが、同時に射場等に関してもきちんと考えるべきです。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ M [資料・ブログありがとうございます。 先生の資料の中で 内閣府→JAXA 文部科学省→ISAS とJAXA..]

_ Mr.K [回答ありがとうございました。以下再コメントさせていただきます。 <JAXAとISAS、ISSの実施主体> J..]


20120109 宇宙政策オープンゼミ (追記有り) [長年日記]

_宇宙政策オープンゼミ

まず、資料を改訂しました。メイン補足資料です。
内容に関しては、これまで専門調査回答で議論が進んできて大筋決まりつつある物と、僕の個人的な意見でまだ一般的な議論が進んでいない物があるので御注意ください。
特に補足資料の「体制論・これから3ヶ月で議論を深めるべき内容」以降に関して、当日、色々と意見をまとめてきていただいて、議論を深めることが出来ればと思っています。
また補足資料の別紙には、国家予算を投じるべき内容を分類して書き上げ始めていますが、まだ不十分・練れていないものになっています。ここに関する提案等あれば、事前にこのblog等で御提案いただけると嬉しいです。
また「この部分はどういう意味?」等、基本的な質問があれば、これも当日ではなく事前に、このblog等で御質問ください。
当日は僕の意見をたたき台にしながら、皆様からの意見をどんどん出して貰って、議論を進めたいと思っています。

なお、プログラムが以下のように変更になる予定です。
============
14:00~14:10 開会挨拶
14:10~15:00 宇宙開発・利用概論(東京財団研究員 坂本さん)
15:00~15:20 質疑応答
15:20~15:30 休憩
15:30~15:45 宇宙政策概論(和歌山大学宇宙教育研究所 秋山)
15:45~17:15 宇宙政策ディスカッション
17:15~17:30 閉会挨拶
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よろしく御願いします。

_ ・追記

いくつか追記。今回の上記の僕の資料は私的な資料だけれど、公的な議論としては専門調査会で議論が行われており、資料がここにある。
とくに資料1あたりが体制論の参考と成る。
議事録も公開されているので、読むと委員の考え方がわかる。

それから僕が書いている部分で、後で資料にも追加するつもりだけど、一つのポイントはJAXAとISASの切り分け部分。
JAXAとISASの分離と書くと、昔のNASDA(+NAL)とISASに分けるイメージで捉えられるかも知れないけれど、僕の考えはこれとは違う。昔はNASDAは地球周回まで、ISASはそれ以遠。月はぎりぎり地球周回だからNASDAがやってもokなんていうような上段みたいな話しも囁かれていたが、僕は今回の分離で、いわゆる基礎研究開発部分はISASに統合し、実用・応用研究開発部分をJAXAにするべきだと思う。
なので、ISSはISASに持ってくるべきだと思うんだけど、どうだろう?

みなさまの質問・御意見をお待ちしています。
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ Mr.K [長くまとまっていないですが、時間もあまりありませんのでとりあえず投稿してみます。 ・理工学部会に関して  技..]

_ miya_space [ はじめまして。貴サイトは大変勉強になります。 ISSについては、以下のように分担を分けるべきではないか..]

_ T. K. [いつもblog拝見しています. 簡単にですが,質問させて頂きます. 先生の提案を拝見し,日本だけの力で歩んで..]


20120104 さぁ始めるか [長年日記]

_ ・さぁ始めるか

新年、あけましておめでとうございます
年末年始は・・・風邪引いて死んでました
咳が止まらなくて、もう、ホント。
だいぶ良くなりましたけどね。

さて、だいぶお待たせしましたが、日本が新体制で取るべき宇宙開発政策に関する議論を始めましょうか!
体制論はいよいよ最終段階にさしかかりつつあります。
しかし3年、ホント長かった。
しかしおかげで、国家戦略に基づいた宇宙開発が、いよいよ出来るようになると思っています。
せっかく出来たこの体制を是非、有効利用していきたいと思っています。
そこで第一弾として、以下のようなシンポジウムを企画しています。
プログラムでは僕が40分とか話すことになっていますが、出来れば議論中心に、みんなの意見が出てくるようなゼミにしたいと思っています。
そこで参考資料をアップしますので、これを読んで、質問があれば事前にこのblog等で聞いて、その上でいろんな意見を述べて貰えると嬉しいです。
例えば、、、世界の輸送系市場の将来予想を見ると、どのぐらいのコストでどのぐらい売れるはずだ、とか、
将来の宇宙利用を考えると、この分野の研究開発を伸ばすべきだ、とか
そんな感じの御意見をまとめて戴いて、当日、皆で議論できればと思います。
そのためにも、基本的なことでわからないことなどがあったら、事前に聞いてみてください<このblogで

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昨年度も実施した宇宙政策オープンゼミを今回も実施致します。

<背景>
12月末に各省庁の今年度予算が財務省に提出され、ここでおおよその宇宙に関わる国の予算がほぼ決定します。
しかし多くの場所で宇宙開発予算が足りず、取捨選択の必要性を問われる中、宇宙開発(特に輸送系)のビジョン・予算の使い方の議論が少ないという背景があります。


<目的>
本オープンゼミの目的は「議論の活発化」です。
今年度の議題は「日本の輸送系」とし、そもそも少ない輸送系の議論に対し、議論を深めることを目的としています。
そこでオープンゼミでは未来の日本の輸送系の在り方について、学生・社会人問わず皆さんに積極的に意見を頂きたいと考えております。

当日は和歌山大学秋山先生、東京財団研究員坂本先生から輸送系の現状のお話を頂きディスカッションに入りたいと思います。

学生や若手から議論を活発にし、今後の宇宙開発政策について考えていきましょう!


■日時:1月15日(日) 14:00~17:30

■場所:CIC東京 

_ JR田町駅 徒歩3分


■プログラム
13:50     CIC東京集合
14:00~14:40 宇宙政策の概論(秋山先生)
14:40~15:10 秋山先生に質問
15:10~16:00 宇宙開発・利用の概論(坂本様)
16:00~17:30 ディスカッション


申し込みはこちらからお願い致します。



本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ むつこ [あきあきさん、来週東京にいらしゃるのですね。会合が、参加者すべての人に、輝く可能性の灯がつきますように。 環境..]


20111224 宇宙戦略室と宇宙政策委員会 & 日本海新時代に向けて [長年日記]

_ ・なんかまだtDiaryのスタイルが統一しないな;

どうも改行幅とかの調整が上手くいかなくて、読みづらかったらスミマセン(^_^;

何で下の「宇宙戦略室と宇宙政策委員会」の部分だけ、行間が狭いんだ??

_ ・宇宙戦略室と宇宙政策委員会

連休前の12/22の読売新聞朝刊に、宇宙戦略室新設へと言う記事が出たが、同日午前の藤村官房長官が記者会見でこれを正式に発表
『宇宙政策の総合調整』や『準天頂システムの開発・運用』を担い、「宇宙審議官(仮称)を置くとして来年1月の通常国会へ関連法案を提出するとしている。
また日経の記事では「宇宙政策委員会(仮称)も新たにつくり、宇宙政策に関して関係閣僚に勧告できる仕組みにする」と書かれている。
いよいよここまで来たか、と言うのが正直な感想である。

有識者会議のメンバーであった昨年、またメンバーから離れた今年、2度に渡り宇宙分野の産官学の関係者100名以上を集めて開催した『タスクフォース会合』で、一番の同意事項は”強力で実行力を持った意志決定機関を作る”だった。
結局、何をどう議論しても各省庁で分断された政策では意味が無く、日本全体を見渡し統合的に政策が実施されることが一番重要、ということだ。
記事をさらっと読むと「宇宙戦略室」が意志決定機構だと思ってしまいそうだが、ここは官僚機構なので、政治側が総理直下で決めた意志(すなわち宇宙開発戦略本部会議での決議)を粛々と実行する機関と成る。
もちろん執行時に色々な判断も入って然るべきだが、戦略本部会議での決議とその精神に従って行政を実施する機関になるだろう。

ところで今回の記事では「宇宙審議官」を置くとなっているけれども、現在の宇宙開発戦略本部事務局では「局長」1名、「審議官」2名となっている。宇宙戦略室では「局長」を置かないということなのか、ここでいう「宇宙審議官」が実は局長級と言うことなのか、これはちょっと興味のあるところである。

一方、「宇宙戦略室」が執行機関とすれば、意志はどこで決まるかというと、前述の通り総理が議長を務める宇宙開発戦略本部会議で決定される。
しかしもちろん議長である総理も、また会議のメンバーである閣僚も宇宙に関する専門家ではないので、そこに意見を入れる人達が居る。これが「宇宙政策委員会」である。
橋本行革以前は「宇宙開発委員会」が総理直下に置かれていたため、今回新設される「宇宙政策委員会」と同様の役割を果たしていた。
しかし橋本行革委後、「宇宙開発委員会」が文科省の下に置かれてしまったため、「宇宙開発委員会」は文科省の宇宙開発にしか意見を言えなくなってしまった。
今回の動きはこれを橋本行革前に戻す、と言うことである。(「宇宙政策委員会」の設立と併せて、現在の「宇宙開発委員会」は廃止される事が専門調査会の意見である。)
上記の専門調査会の資料に詳しいが、「宇宙政策委員会」はこれまでと違い、「宇宙政策委員会には内閣総理大臣または各省の大臣に勧告することができる権能を与えるべきである。」とされている点は非常に重要である。
例えば今年、70億円申請していた「はやぶさ2」の予算が30億円しか付かなかった(25ページ目とか98ページ目とか)というのは、この「監督権限」がなかった事が大きな理由だと私は考えている。

今年はこの「監督権限」がなかったため、はやぶさ2の予算は同じく文科省から出ていた別の予算(具体的には地球観測衛星網の構築)との競合に終始してしまい、議論は『財務省 vs 文科省』で閉じているので戦略本部事務局も専門調査会も口出しが出来なかった。
(これが前から私が、『準天頂 vs はやぶさ2』だとか、『戦略本部事務局 / 専門調査会 vs 文科省』という図式が根本的に間違っていると主張している論点だ)
はやぶさ2に関しては、まずは科学的・文科省の業務内容的な意義や重要性を鑑みて、文科省内で勝ち残って一番になることが重要だ。
しかし仮に文科省内で負けたとしても(今回はそこで地球観測衛星網に負けたわけだが)、川口先生が言われるように「国家的重要性に鑑みて」復活する方法というのは、このような政府全体としての意志に基づき、予算の勧告が行える体制が整っていないと無理なのである。
例えば、中国はアフリカ諸国と「資源とバータ取引で衛星を提供」とかやるけど、これは現在の日本には無理な実施内容である。
日本では衛星を仕切っているのは文科省で、文科省的にはその設置法に照らし合わせて、「資源とバータ取引するために文科省予算を使って衛星を上げる」なんて事は出来ない。
今回のはやぶさ2もまさにこのパターンで、科学的・文科省の業務内容的重要性として2番になってしまったものを、ある意味文科省の業務を越えた(すなわち設置法という法律を越えた)判断基準を持ち出して順位を逆転させると言う「違法行為」は出来ない、と言うことだ。

そういう意味で、毎日新聞が”予算権限などを一元化できるかが課題”と書いているのがまさにその通りで、11/30に実施された専門調査会の議事録の8ページ目でも、上杉先生が以下のように述べられている。
『実質的に司令塔機能が発揮できるようにして頂きたい。本来、常勤の方にやって頂くのがよいと思う。その辺は法律的にどうか分からないが、そう希望する。ただ、「勧告」といった強い権限を持つということで、実質的に機能するということであればよいとも思う。』
この部分に関しては、この日の会議ではこの一言しか「勧告」件に関して出てこないが、その前の10/31の専門調査会の議事録を読むと、もう少し詳しく議論が行われていることがわかる。
2ページ目の部分にまとめがあるが、関連する部分を見ると
  • 司令塔として十分に力を発揮するように勧告権を持つような組立てにした方がいい。
  • 勧告権は入れるべき。また、予算資源配分について、財務省との連携でやり、増やしていくという発想できちんとやると、各省からも、ここは頼りになるとなる。
  • とされている。
    この特に2番目の御発言は、今後の省庁横断型の宇宙開発を進めるための大きな指針と成る御発言だと僕は思う。


    平成20年の自公民議員共同提案による「宇宙基本法」の制定以来、我々は3年にもわたる長き時間を費やして、ようやく「政府としての意志決定を協力に実行する」体制が整いつつある。
    この体制は同時に、上杉先生が言われるように「連携して宇宙関連予算を増やしていく」ための体制でもある。
    もちろん、それは宇宙分野の独り善がりに陥るのではなく、日本全体の事を考え、明日の日本を支える重要な基幹技術として「宇宙開発」を執り行う、というのが大前提と成るのだけれども。
    3年に及ぶ体制論の議論の中で、各省庁の矜恃を賭けた論争もあったと思う。しかしその議論はいよいよ終着点を迎えようとしています。
    ここから、我々が進むべき新しい飛躍が始まります。
    そしてその飛躍は、その想いをそれぞれが胸に持ち、手を取り合って進んでいかなければ決して手に入れることが出来ません。

    年明け1/15に予定されている宇宙政策ゼミでも必要となるので近日公開を予定している資料(まだアップされていません。こちらは現時点での素案ですが、ここから大きく変えるのであくまでも参考としてください)にも内容を掲載を予定しているが、現在、僕は文科省の補助事業としてUNIFORMプロジェクトのディレクターを務めている。
    このプロジェクトは上記の参考資料の素案の右側真ん中よりちょっと上の部分、『国際宇宙インフラ・データ利用市場』の「宇宙新興国の衛星打上やデータ取得・利用に協力し、規格の共通化を計る。衛星本体の販売よりもデータ利用のスキームによる産業化を目指す。」と言う部分の実効的なプロジェクトだと、私の中では位置づけている。
    現在、経済的に発展を続けるそれぞれの地域の中核国でもある宇宙新興国では、独自の宇宙開発技術を有したいという強い希望を持っている。
    そういった国々とまず、小型衛星やデータ利用と行った入りやすい分野で協力を進め、そこから新しい共通規格や市場を形成し、さらにはこれらの国々と作るクラスターで既存の衛星市場にまで食い込めるようなwin-winな世界を目指すこと。
    これがUNIFORMプロジェクトが目指す、ビックピクチャーである。
    このような新しい世界構築には、いわゆる文科省的な教育を通じたキャパシティービルディングが非常に重要な役割を果たす。
    また経産省や産業界とも密接に協力し、海外に日本の宇宙システムをパッケージとして販売する戦略構築も、欠かせない要素である。
    このような「パッケージ輸出」は、文科も経産も他省庁も、全て協力が出来る内容だと僕は思う。

    上杉先生の御発言にあるような新しい宇宙開発の世界を、僕自身も実際に手を動かす側として、作っていきたいと思う。
    宇宙政策委員会、および宇宙戦略室を中核とした、日本の新しい宇宙開発と、宇宙開発に留まらない新しい日本の未来を、みんなで作っていこうじゃありませんか。
    頑張りましょう!

    _ ・日本海新時代

    さて、話しはがらっと変わりますが、北朝鮮問題が急展開をし始めましたね。

    永遠ならざる人の命を考えると、この出来事は必然であったわけですが、北朝鮮問題の展開は、僕が秋田に居たときに考えていた「来るべき日本海新時代の幕開け」の最初のきっかけとなるはずの出来事でした。

    秋田から山形の鳥海山近傍を除いて新潟までの地帯を旅したことがありますか?

    そこには実に広大な平野が広がっています。そして豊かな水源が存在します。

    広大な平野と水源。日本の技術力と大陸の豊富な消費市場。海運航路。そして北朝鮮・中国国境の豊富な鉱物資源。

    『北朝鮮問題が解決したとき、日本海が平和の海と成ったとき、ここに一大経済拠点が築かれるはずだ。』

    これが僕の考えていた、「日本海新時代」の立脚点でした。


    それでは今後、日本海は具体的にどうなっていくのでしょう?

    我々は日本・アメリカサイドから、その希望に添って事態を見がちですが、仮に僕が中国共産党員だったら?と思って考えてみたのが以下のような未来像です。

    僕が中国共産党の中枢にいたとしたら・・・

    北朝鮮の属国化をどんどん進めますね。それと同時に沿海州および北朝鮮の経済開放路線を進めます。

    北朝鮮の現体制では、そのような解放改革路線を取ったとたんに、内乱が起きて国家が崩壊するでしょう。

    しかし中国共産党が北朝鮮を属国化することで、しっかりと押さえつけを行ったら?<これが第一段階

    次には天安門事件の後と同様、解放改革路線で経済の活性化を進めます。

    このとき、韓国及びロシア沿海州、日本との経済交流を活性化させます。

    北朝鮮国民の不満を経済水準の上昇でどんどんと無くしていく、という方法です。<これが第二段階

    同時に、韓国に併合される形での朝鮮半島の統一を阻止する。

    むしろ、属国化した北朝鮮と同様、韓国も併呑してしまう。

    もっといえば、ソ連時代と違って統制が無くなり、ロシア人比率が激減しつつあるロシア沿海州おも取り込んでしまう。

    かくして日本海西岸に、一大消費市場を形成する事を目指すわけです。また北朝鮮・韓国、ロシア沿海州。そして日本の秋田・新潟・山陰地方は、重要な工業地帯となってくるでしょう。<これが第三段階

    そうなってくると日本およびその向こう側のアメリカは重要な貿易相手国となるわけで、現在の対峙体制よりも協調体制の方がもっと重要になってくる。

    ・・・・と、ここまで考えて、「そうなってくると中国の現体制は維持されるのか?」という問題点に行き当たってしまいます。

    中国沿海州がこれだけ力を持ったときに、中国はホントに一つのままで居られるのか?

    中国共産党は力を維持できるのか?

    そして日本はどうなっていくのか??

    個人として係わる場合と、法人的に中国共産党としての立場で考える場合とで、そのような未来を容認するかどうかなどは変わってくるでしょうね。

    もちろん僕はこの日本海新時代に全く関係ない立ち位置にいるわけですが・・・

    今、出来る事があるとすれば何かと言えば、

    そうですね。とりあえずそのような時代になったときに、重要なキーマンとなるだろう台湾との対話と友好関係を進めておきたいですね。

    どちらに転ぼうと、台湾は重要な拠点となると思うんですよね。

    と言うわけで、年明けには是非、台湾に行きたいところです、ハイ。

    本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

    _ むつこ [初詣を願いから祈りへプロジェクト 地球の1パーセント(約初詣の人数)が自分のことだけじゃなく、自分を含めた人のこと..]


    20111214 はやぶさ2予算の件 その3 [長年日記]

    _ ・はやぶさ2予算の件 その3

    うーん。
    松浦さんがまたまた権限争いの狭間に落ちた、はやぶさ2という記事を出されているが・・・、だからそれは勘違いだってば。

    構図はすごく簡単です。
  • 宇宙基本法で定義されたような、宇宙関連の政策を決める中核機関はまだ出来ていない
  • だから今年度の各省庁から出ている予算に関しては、各省庁間の調整は行われていない。
    戦略本部は各省庁からでた予算案をホッチキス止めしてるだけです。
    (ホントはそうなって欲しくなかったのですが。)
  • すなわち、「各省庁間の権限争いの狭間に落ちてはやぶさ2予算が落ちた」訳ではない
  • はやぶさ2予算が落ちた理由は、文科省から出されてきた案件内で、決定された優先順位が低かったから
  • もちろん政治側がこの順位をひっくり返す事も出来たが、政治側には「はやぶさ2よりだいちでしょ」という意識があり、はやぶさ2を同時に残すことに対しては、それほどの強い意志はなかった。(少なくともこの日本再生枠の予算では、って事です)
    (もしそれを問題というならそれ「も」問題でしょう。
    しかしそうなった時に、擁護できるのは文科省だけです。
    が、ふたを開けたらそうじゃなかった(きちんと擁護されなかったこと、そしてそもそも概算枠じゃなくて今回の予算枠で出されたこと)みたいでびっくりしたというか唖然とした、と言うのが正直な感想です。
    ちなみに私の周りの方々も、僕と同じ感想でした。)
  • 繰り返しますが、文科相提案の予算の順位付けを変える、擁護できるのは、内閣府でもなく、戦略本部でもなく、文科省なのです。


  • それで、その上で何をすべきかと言えば、以下でしょう。
  • 本予算は政治決着予算。残された手段があるとしたら野田総理の政治決断。
    すなわち、働きかけるなら総理および政府。幹事長とか、総理補佐官とか、総理に近い人物です。
    ちなみに与党側は前回の会議で既に政府に対して意見を出してしまってますから、与党に今更送っても手遅れと思います。

  • はやぶさ2の予算を復活させるとしたら、これしかないでしょう。またもう一つの考え方として、第4次補正で復活させるという手もあるかとは思いますが、、、どうも見ているとこれは今回の予算枠(平成24年度執行)の前倒しのようなので、今回の予算枠で選ばれていないと難しそうですね。

    さらに、はやぶさ2もさることながら、将来に同様の問題(国内の様々な宇宙開発事案の優先順位をきちんと付けられなかったという問題)を再現しないために必要なことは何かと言えば、以下でしょう。
  • 国家の意思として、総理直轄の意志決定機関を作る
  • 上記機関に、各省庁の宇宙関連予算に関する勧告権限を与える

  • もしこれが早くなされていたら、今回の問題は起こらなかったでしょう。

    最後に一言。
    確かに、宇宙開発体制を巡る各省庁の足並みは必ずしも揃って居らず、亀裂もあったと思います。
    しかし元々それが原因ではない今回のはやぶさ2を捉えて、「省庁間の縄張り争いが原因」というのは、話しが飛躍しすぎで想像力が豊かすぎです。
    実際、各マスメディアの表現は、最初の毎日新聞こそ「準天頂vsはやぶさ2」と書いてましたが、その後はその毎日ですら「だいちvsはやぶさ2」と書いてますよね?

    今回のような問題を繰り返さないためにも、次の通常国会に向けて、新しい意志決定機関の枠組み作りを進めなければなりません。
    そしてそこでは各省庁の省益を述べるのではなく、各省庁間の亀裂を助長するのではなく、オールジャパン体制を作っていく事が、必須です。
    また私の知る限り、各省庁もそういう創造的な問題解決を願っていると思っています。
    そんな中でこのような誤った認識が広まるのは大きな問題だと僕は思います。
    本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

    Before...

    _ けん [事実誤認の指摘に加えて、もう一言。「戦略本部は各省庁からでた予算案をホッチキス止めしてるだけ」という指摘がもし事実な..]

    _ むつこ [はやぶさ2が予算を通らなそうなのですか?みんなの思いが形になりますように。その為に、わたし(一般人)は何が出来ますか..]

    _ むつこ [昨日メールさせていただき、後から自分こそどうしたいのって思って、私も、あきあきさんがおっしゃるように、対立構造ですす..]


    =====本家=====